「うちは大丈夫」と思っていたら、床上浸水していた

梅雨の季節に入ると、毎日のニュースで「記録的大雨」「河川が氾濫危険水位に」という言葉を耳にする機会が増えます。
「でも、うちはそんな場所じゃないし」「以前から住んでいるけど、一度も浸水したことないから」——そんなふうに感じているパパ・ママも多いのではないでしょうか。
私自身も、正直なところ昨年まで同じように考えていました。うちは内陸だし、「浸水被害とは無縁の場所だ」と思い込んでいたんです。
ところが、このブログを通して防災について学んでいく中で、我が家は最悪の場合1階天井まで浸水する可能性があることが判明しました。

「自分の家は浸水しない」という根拠のない自信こそが、最大のリスクだと。
子どもがいる家庭では、浸水被害は「財産の損失」だけでは終わりません。衛生環境が一気に悪化し、子どもが感染症にかかるリスクが高まります。避難の遅れにもつながります。今日は「梅雨・台風前に必ずやっておきたい自宅の浸水対策」を、実践的にお伝えします。
—
なぜ「うちは安全」という思い込みが危険なのか
問題の本質:浸水の「新しいカタチ」を知らないまま
一昔前の水害のイメージといえば、川の堤防が決壊して大量の濁流が押し寄せてくるもの。確かにそれも起きますが、近年急増しているのは「内水氾濫(ないすいはんらん)」です。
内水氾濫とは、短時間に集中豪雨が降ったとき、地面や下水道が吸収・排水しきれなくなって、道路や低い場所に水が溢れ出す現象のことです。河川から離れた住宅街でも、道路の周辺が水浸しになって、玄関の隙間や換気口から家の中に水が入ってきます。
国土交通省のデータによると、近年の都市型洪水の多くがこの内水氾濫によるものです。ゲリラ豪雨の増加に伴い、従来は「浸水しなかった地域」でも被害が出るケースが増えています。
「川が近くにないから安全」というのは、今の時代には通用しない考え方です。
—
子育て家庭が浸水対策を後回しにしてしまう3つの原因
原因1:ハザードマップを「一度も開いたことがない」
お住まいの市区町村が作成・公開しているハザードマップ。名前は知っていても、実際に開いたことがある方は意外と少ないんです。
「なんとなく怖くて見たくない」「見ても対策のしようがなさそう」という気持ち、わかります。私も最初はそうでした。でも実際に開いてみると、「ここまで詳細に自分の家の状況がわかるのか!」と驚きます。
洪水ハザードマップ、土砂災害ハザードマップ、内水ハザードマップ(一部の自治体)を確認することで、自分の家が「どのくらいのリスクを持っているか」が初めてわかります。これを知らずに対策を立てるのは、目を閉じたまま準備するようなもの。
原因2:「自宅の弱点」を把握していない
浸水が起きるとき、水はどこから入ってくると思いますか?
玄関のドアの隙間、窓の下部、換気口(通気口)、排水溝の逆流——思ったより多くの「侵入経路」があります。これらを事前に把握して対策しておくかどうかで、被害の大きさが大きく変わります。
特に注意が必要なのが「地下室や半地下」がある家、「道路より土地が低い」家、「玄関が道路面とほぼ同じ高さ」の家。こうした構造上の特性がある場合、内水氾濫時に水が入り込みやすいです。
原因3:止水グッズの存在を知らない
「浸水対策グッズ」というと、土のうしか思い浮かばない方も多いのではないでしょうか。実は、土のうよりも手軽に使える「止水板(しすいばん)」や「水で膨らむ吸水シート」「スライド式の止水グッズ」など、さまざまな選択肢があります。
これらは地震グッズのように「常時セットしておくもの」ではなく、台風接近前や大雨警報が出たタイミングで設置するものが多いです。存在を知って、事前に準備しておくことが大切です。
—
今すぐ実践できる!自宅の浸水対策5選
対策1:ハザードマップで「自宅のリスク」を把握する
まず最初にやることは、ハザードマップの確認です。
国土交通省のハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/)では、住所を入力するだけで、洪水・土砂災害・高潮などのリスクマップを一覧で確認できます。
確認したいのは次の3点👇
- 浸水想定区域に入っているか(0〜0.5m、0.5〜3m、3m以上など深さも確認)
- 避難場所・避難経路(浸水を避けながら移動できるルートか)
- 土砂災害警戒区域に重なっていないか
「うちは大丈夫」と思っていた私も、確認してみたら「0.5〜3mの浸水想定区域」に入っていました。このことを知っただけで、準備の優先順位が変わりました。
対策2:排水溝・雨樋の点検・清掃をする
今すぐできて、もっとも効果的な対策のひとつが「排水溝の清掃」です。
落ち葉や泥、ゴミで詰まった排水溝は、大雨時に水が流れず溢れる原因になります。特に梅雨前と台風シーズン前(9〜10月)には、家の周囲の排水溝と雨樋を掃除しておきましょう。
私は昨年から「梅雨入り前の排水溝チェック」をルーティンにしました。子どもと一緒に「水が流れるか確認するよ」と言いながら点検すると、防災教育にもなります。
対策3:玄関・換気口に「止水対策」を施す
台風や大雨の予報が出たら、玄関ドアの隙間と換気口への対策をしましょう。
玄関ドアの対策:
- 「水のう(すいのう)」作成:ビニール袋に水を入れてドアの外側に置く(土のう代わり)
- 市販の「止水シート」「折りたたみ止水板」を玄関に設置する
- 隙間テープで一時的にドア下の隙間を塞ぐ
換気口の対策:
- 大雨時は「防虫ネット付き換気口カバー」を設置する
- 浸水リスクが高い地域では、電動シャッター式の換気口への交換も検討を
ちなみに「土のう」は区役所や市役所で無料配布しているところもあります。事前に確認しておくと安心です。
対策4:1階の重要品は「腰の高さ」以上に保管する
内水氾濫の多くは、浸水深が20〜50cm程度で収まるケースが多いです。つまり、床上10〜50cmに大切なものを置いていなければ、被害を減らせます。
特に「水に弱いもの」は必ず高い場所に移動させましょう。
- 母子手帳・パスポート・保険証などの重要書類
- 子どもの思い出の写真・アルバム
- 通帳・印鑑
- 子どもの薬、常備薬
重要書類は防水ケースやジップロックに入れた上で、高い棚やシェルフに置く習慣をつけておくと安心です。スキャンしてクラウドに保存しておくのも有効です。
対策5:家族で「浸水時の行動ルール」を決める
浸水が始まったとき、家族それぞれが「どう動くか」をあらかじめ決めておくことがとても重要です。
浸水時の行動チェックリスト
- □ 警戒レベル3(高齢者・障害者・子ども等は避難開始)が出たらすぐ動く
- □ 1階にいる場合は、まず2階へ移動
- □ 自宅が1階建て・平屋の場合は、早めの避難を最優先
- □ 車での避難は浸水が始まったら危険(エンジンが止まる)ので徒歩を基本とする
- □ 子どもと「雨が強くなったらどこへ逃げるか」を話し合っておく
「水が膝まできたら、子どもを背負えない」 という事実を知っておいてください。水の中での歩行は想像以上に体力を奪われます。子どもを抱えながらでは、30cmの水でも動けなくなることがあります。だからこそ、水が来る前に動くことが命を守ります。
—
まとめ:「備え」は後悔してからでは遅い

浸水対策は、「来てから対処する」ものではなく、「来る前に仕込んでおく」ものです。
子どもを守るためには、親が先に状況を知り、先に動く必要があります。「うちは大丈夫」「今年は来ないだろう」という希望的観測は、子どもの安全には通用しません。
梅雨や台風のシーズンは毎年やってきます。去年被害がなかったとしても、今年も大丈夫という保証はどこにもありません。
大切な我が子を守れるのは、あなたの「今日の一歩」だけです。
まずはハザードマップを開くことから始めてみましょう。5分でできます。その5分が、家族の未来を変えるかもしれません。
さらに詳しい防災情報や、子育て家庭向けの備え方のヒントは、こちらのブログでも発信しています。ぜひチェックしてみてください。

