知らないと危険!子連れ車中泊避難の注意点と安全対策

防災情報
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大雨で子どもと車中泊する

梅雨から台風シーズンにかけて、日本全国で水害や土砂災害が相次いでいます。「いざとなれば避難所に行けばいい」と思っていたパパ・ママも多いと思いますが、現実はそう簡単ではありません。

小さな子どもを連れての集団生活は、想像以上にストレスがかかります。赤ちゃんの夜泣き、授乳、おむつ替えのスペースの問題。食物アレルギーのある子どもへの対応。発達に特性がある子どもにとっての見知らぬ環境のつらさ。そんな事情から、避難所ではなく「車中泊避難」を選ぶ家族が増えているのです。

でも、ちょっと待ってください。車中泊避難は「避難所より楽」ではなく、正しく準備しないと命に関わる選択になります。

私自身、上の子が生後4ヶ月のときに大きな台風を経験しました。夜中に水位が上がり始め、避難所に行くか車で移動するか、夫婦で必死に考えたあの夜のことは今でも忘れられません。あのとき知っていたらよかったと思う知識を、今日はすべてお伝えします。

車の中にいれば、プライバシーが守られて安心——そう思っている方がとても多いです。でも、車中泊避難には避難所以上に危険なリスクが潜んでいます。

車中泊避難が危険な本当の理由

テレビでは「エコノミークラス症候群」という言葉をよく聞きます。実は2016年の熊本地震でも、車中泊をしていた方が血栓症で亡くなっており、これが社会問題になりました。でも、子育て家庭に特に注意してほしいリスクはそれだけではありません。

子どもはエアコンが使えない「密室」に長時間いると、大人の何倍も早く危険な状態になります。

乳幼児は体温調節機能が未熟です。夏場に車内でエンジンを止めると、あっという間に車内温度が40℃を超えます。冬はその逆で、低体温症のリスクが上がります。子どもを守るつもりで選んだ車中泊が、かえって子どもを危険にさらすことになってしまうのです。

リスク① エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)

狭い車内で長時間同じ姿勢でいると、足の血管に血栓ができやすくなります。これが肺に流れ込むと「肺塞栓症」となり、最悪の場合命を落とします。

特に産後間もないママは血栓リスクが高まっているため、産後6週間以内に車中泊避難を余儀なくされた場合は最大限の注意が必要です。子どもよりも先に、自分の体のケアを忘れないでください

対策としては、1〜2時間に1回は車外に出て歩く、水分をこまめにとる、弾性ストッキングを準備しておくなどがあります。

リスク② 熱中症・低体温症

先述の通り、子どもは体温調節が苦手です。車内温度の管理は、車中泊避難で最も気を使うべき問題の一つです。

夏の対策として、日陰への駐車・遮光カーテン・サンシェードは必須です。ポータブル電源と小型扇風機があれば、エンジンをかけなくても車内を涼しく保てます。逆に冬は、毛布や保温性の高い寝袋を準備しましょう。

乳幼児がいる家庭では、車内温度計を常に確認できる場所に置いておくことを強くおすすめします。

リスク③ 一酸化炭素中毒

これは知らない人が多くて、最も怖いリスクです。暖をとるためにエンジンをかけたまま眠ると、排気ガスが車内に流れ込み一酸化炭素中毒になることがあります。

特に水害時には、排水口や車の周囲が浸水してマフラーが水に浸かった状態でエンジンをかけると、一酸化炭素が車内に充満しやすくなります。雪の吹き込みによってマフラーが詰まることも同様に危険です。

エンジンをかける際は、必ず換気を確認してください。車中泊避難中は、一酸化炭素警報機を車内に設置するのが理想的です。

防災リュックの点検

では、やむを得ず車中泊避難をする場合、どうすれば安全を確保できるのでしょうか。私が調べた中で、子育て家庭に特に役立つ対策をご紹介します。

解決策① 車中泊できる「安全な場所」を事前に決めておく

水害・浸水リスクのある場所に車を停めたまま車中泊するのは絶対に避けてください。被災中にベストな場所を探すのは困難です。事前に以下を確認しておきましょう。

  • 自治体指定の車中泊避難スペース(駐車場を提供している市区町村が増えています)
  • 近隣の高台にある駐車場(商業施設や公共施設など)
  • 内水氾濫・浸水想定区域外の場所(ハザードマップで確認)

お住まいの自治体のホームページやハザードマップで、車中泊ができる避難所・避難スペースを事前に調べておくことが重要です。豊田市や大阪市など、車中泊避難スペースを公式に案内している自治体も増えてきました。

解決策② 子ども向けの車中泊グッズを備えておく

車中泊避難は「突然やってくる」のが現実です。日頃から車内に以下のアイテムを用意しておくと安心です。

  • ポータブル電源(扇風機・スマホ充電・授乳ライトの電源として)
  • 車用サンシェード(夏の熱中症対策)
  • 保温寝袋・毛布(冬の低体温対策)
  • 一酸化炭素警報機(エンジン使用時のガス中毒予防)
  • 弾性ストッキング(エコノミークラス症候群予防)
  • 子ども用の飲料水・授乳グッズ(最低3日分)
  • おむつ・着替えの予備(車内で手軽に対応できる量)
  • 遮光カーテン(プライバシー確保と温度管理)

大きな荷物をすべて車に積む必要はありません。普段から車の中に「車中泊避難ポーチ」として最低限のアイテムをまとめておくだけで、いざというときの対応速度が格段に上がります。

解決策③ 家族で「車中泊避難のルール」を決めておく

車中泊避難中に最も困るのは、「何をどうすればいいかわからない」という混乱です。以下のルールを事前に話し合っておきましょう。

  • 何時間ごとに車外で体を動かすか
  • 車内での食事・授乳のタイミング
  • 子どもが泣いたときの対応分担
  • エンジンをかける条件と換気の確認方法
  • 情報収集に使うデバイスの充電管理

パートナーとの役割分担を事前に決めておくことで、精神的な余裕が生まれます。子どもが小さいほど、親の精神状態が子どもの安心感に直結しますから、夫婦での準備が欠かせません。

「なんとなくわかった」で終わらせないために、今日この瞬間から実行できることをお伝えします。

アクション1:ハザードマップで自宅周辺の浸水リスクを確認する

国土交通省のハザードマップポータルサイトで、自宅周辺の浸水想定区域を確認しましょう。「自宅が浸水リスクゼロ」と確認できれば在宅避難を選択肢に、リスクがあれば車中泊避難スペースを事前に調べておきましょう。

アクション2:自治体の「車中泊避難スペース」を調べる

お住まいの市区町村のホームページで「車中泊避難」「避難場所」を検索してみてください。指定スペースがある場合は、場所をスマホのマップに登録しておくと便利です。

アクション3:車内の防災グッズをチェックする

今すぐ車のトランクを開けて確認してください。飲料水はありますか?子ども用の非常食は?一酸化炭素警報機は?ないものをリスト化して、この週末に揃えましょう。

アクション4:「車中泊避難のルール」を紙に書いてグローブボックスに入れる

スマホが使えないときのために、アナログな方法で家族のルールを記録しておきましょう。「何時間に1回外に出る」「エンジンをかけるときは必ず窓を開ける」など、シンプルなルールを箇条書きにするだけでOKです。

浸水被害にあう前に高台へ避難して助かる

車中泊避難は、避難所生活が難しい子育て家庭にとって有力な選択肢です。でも、正しい知識と準備なしには、避難所以上に危険になることもあります。

今回お伝えしたことをまとめます。

  • エコノミークラス症候群・熱中症・一酸化炭素中毒の3大リスクを知る
  • 安全な車中泊場所を事前に調べておく
  • 子ども向けの車中泊グッズを日頃から車に積んでおく
  • 家族でルールを決めて、紙に書いて保管する

梅雨・台風シーズンは、今まさに始まっています。「いつか準備しよう」ではなく、今日の夜にでも夫婦で話し合ってみてください。

「準備した記憶」は、いざというときに必ず子どもを守る力になります。

防災は「特別なこと」ではなく、「日常の延長」です。一つひとつ、できることから始めていきましょう。

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