水害について「うちは大丈夫」と思っていませんか?
梅雨入り前のこの時期、ふと天気予報で「線状降水帯」「記録的大雨」という言葉を聞いて、ドキッとした経験はありませんか。SNS で流れてくる過去の水害映像を見ながら、「もしうちの近くだったら、子どもを連れてどう動けばいいんだろう」と漠然と不安になる。でも、忙しい毎日のなかで、その不安はそのまま棚上げにされがちです。
私自身も 2 児のママとして、長らく「うちは水害は関係ない」と思い込んでいました。でも防災の勉強を始めて分かったのは、水害の本当のリスクは「家が浸水するか」ではなく、「避難できる時間を逃すかどうか」だったということ。今日は、子育て家庭が梅雨・台風シーズンの前に必ず点検しておきたい備えを、私自身の失敗談も交えながらお伝えします。
子育て家庭の水害対策、なぜ後回しになる?

地震対策のために防災リュックを用意し、家具固定もした。非常食も揃えた。それなのに「水害」となると、急に何を備えればいいか分からなくなる。これは多くの子育て世代に共通する現象です。
理由はシンプルで、地震は「起きたあとに動く」災害、水害は「起きる前に動く」災害だから。備えの考え方そのものが違うのです。地震用の備えがあれば水害も大丈夫、というわけにはいきません。
そして子連れだと、この「起きる前に動く」判断がとても難しい。雨が強くなってから「避難する?しない?」を決めようとすると、子どものぐずり、夫婦間の意見の違い、近所の様子、いろんな要素が一気に押し寄せて、結局動けないまま夜を迎えてしまう。これが、子育て家庭が水害リスクに巻き込まれやすい本当の理由です。
子育て家庭が水害対策で躓く 3 つの原因
原因 1:「うちは大丈夫」という正常性バイアス
人間の脳は、平常をできるだけ維持したがります。「過去にここが浸水したことはない」「ニュースの映像は遠い土地の話」と無意識に整理してしまう。この心理は誰にでも起きるからこそ、「自分は冷静だから大丈夫」が一番危ないのです。
私も「うちはマンションだから」「川から離れているから」と何度も自分に言い聞かせてきました。でもハザードマップを見たら、最寄り駅周辺が「浸水深 3m 想定」のエリアだった。マンションは大丈夫でも、子どもを連れて買い物に出ているときに浸水したら?保育園からの帰り道は?想定が抜け落ちていたんです。
原因 2:警戒レベルの意味が分かっていない
ニュースで「警戒レベル 3 です」「レベル 4 になりました」と聞いても、実際に何をする段階なのかピンと来ない人がほとんど。レベル 4 は「全員避難」ですが、レベル 3 の段階で高齢者や子育て家庭、つまり「避難に時間がかかる人」は動き始める必要があるということを知らない方が本当に多いのです。

我が家もある夏の夜、警戒レベル 3 の通知が来たときに「まだ 3 だから様子見でいいか」と判断してしまったことがあります。幸い大事には至らなかったものの、あとから「子連れは 3 で動くべきだった」と知り、ぞっとしました。
原因 3:避難ルートを「子どもの目線」で歩いていない
避難場所までの地図は確認した。でも実際にベビーカーを押して、抱っこ紐で下の子を抱えて、上の子の手を引いて、雨のなかその道を歩いたことはありますか?「大人だけなら 15 分」のルートが、子連れだと 40 分以上かかることはざらにあります。
道路の段差、街灯の有無、雨で見えにくくなる側溝、エレベーターのない陸橋。実際に歩いてみないと気づけないハードルがたくさんあります。
解決方法:水害は「動く判断」を事前に決めておく
水害対策の本質は、「避難するかしないかを、その場で考えない」ことに尽きます。冷静なときに、「こうなったらこう動く」を家族でルール化しておく。これだけで、本番の判断力が劇的に変わります。
具体的には次の 3 つを事前に決めておきましょう。
1. どのレベルで動くか:警戒レベル 3(高齢者等避難)の通知が来た時点で、子連れ家庭は避難準備または移動開始
2. どこへ動くか:自治体の指定避難所だけでなく、安全な親戚宅やホテルも選択肢に
3. 誰が何を持つか:ママは下の子、パパは上の子と防災リュック、というように役割を明確に
「警戒レベル 3 が出たら、もう議論しない。動く」。この合意があるだけで、家族みんなの動きが揃います。
今日からできる 3 つのアクション
アクション 1:ハザードマップを家族で見る(10 分)
「重ねるハザードマップ」(国土交通省)で自宅住所を検索し、洪水・土砂災害・高潮のリスクを確認しましょう。子どもにも一緒に見せて「ここが赤いから危ないんだよ」と伝えるだけで、家族の防災意識が一段上がります。
下記は我が家の検索結果ですが、最悪の場合1階天井まで浸水する可能性があるみたいです。

アクション 2:防災アプリを 1 つだけインストール(5 分)
おすすめは「特務機関 NERV 防災アプリ」または各自治体の公式防災アプリ。プッシュ通知をオンにして、警戒レベルが出たら即座に分かる状態にしておく。スマホがそのまま命を守るアラームになるので、家族全員のスマホに入れておきたい一品です。
アクション 3:避難ルートを子連れで一度歩く(30 分)
晴れた休日に、実際にベビーカーや抱っこ紐で避難場所まで歩いてみてください。所要時間、危ない場所、トイレの位置、雨が降ったら困りそうな箇所、すべてメモする。実地踏査をした家族と、地図だけ見た家族では、本番の動きが全く違います。
まとめ:梅雨シーズンを、安心して迎えるために

水害は「予測できる災害」です。地震のように突然来るわけではなく、必ず予兆と時間があります。だからこそ、事前の備えがそのまま命を守る確率に直結する災害でもあるのです。
子育て中だからこそ、判断に時間がかかる。子育て中だからこそ、移動が遅い。だったら、判断と移動を「平時のうちに前倒し」しておけばいい。今日紹介した 3 つのアクションは、すべて週末の半日で完了します。お子さんが寝たあとに 10 分、ハザードマップを開くところから始めてみませんか。
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